現場の課題解決に向けた具体的な導入事例をお客様の声と共にご紹介しております。

オプテックス・エムエフジー株式会社
導入時期:2023年11月
導入地域:京都府京都市

オプテックス・エムエフジー株式会社
生産技術部 生産技術 3課
プロジェクトリーダー
家原 様
■導入前の課題
部品のはんだ付けや組基板のはんだ付け作業は手はんだによって行われていますが、この方法では作業者のスキルによって品質やタクトタイムにばらつきが生じています。特に、実装密度が高い基板では、慣れていない作業者では手はんだでの作業が難しく、チップの飛ばしや破損が発生することがありました。
特にFA製品やFA機器の通信入出力ボードでは、端子台のピン数が多いため、手はんだ作業の点数が増え、工数がかさんでしまいます。具体的には、手付け作業が48点で245秒かかるところを、150秒に短縮し、生産数を2倍に増加させることが求められています。
このような状況を改善するためには、自動化を進め、生産時間を短縮することが重要でした。
■レーザはんだ付け装置(コンパクト接合レーザ)の導入決定
コテはんだロボットはイニシャルコストが安いですが、FA機器の小型化が進む中で、実装密度が高くなっているため、近接部品のはんだ付けにおいては、レーザはんだ付けが有効です。レーザを使用することで、コテのティーチングにおけるデッドスペースが少なくなり、設計上の制約も緩和されることが期待されます。
3年ほど前からYAGレーザの導入を検討していましたが、基板の焦げやはんだが団子状態になる問題が発生し、光ビームも検討しましたがパワー不足や制御の難しさが課題でした。他社も検討しましたが出来上がった装置形態での提案しかなかったため、価格面で検討が難しいという判断になりました。
非接触でのはんだ付け方法を探していたところ、展示会でコンパクト接合レーザのはんだ付け事例を見つけ、これが有望だと感じてテスト加工を依頼することにしました。
なぜレーザでなければないのか?という社内の声に対し、レーザの利便性を説得して、新しい技術のチャレンジとして導入を決定しました。
■導入後の変化
2023年11月にレーザはんだ付け装置を導入し、12月からの量産開始に向けて準備を整えました。この装置は、当社にとって初めてのレーザ技術の導入であり、安全面に配慮した筐体設計に気を遣いました。
導入前の検討段階では生基板での試作を行っていましたが、実装基板での試作を通じて初めて周辺部品への影響が明らかになりました。具体的には、はんだフィレット形成時の反射光によって部品にダメージが発生することが判明し、これに対しては部品をカバーする治具を用いて対応しています。
レーザはんだ付けのタクトタイムは、ロボットの移動があるため手はんだ付け作業者と同等で行われますが、はんだ付けの出来栄えは非常に良好です。特に、手はんだで発生していたチップ部品の飛ばしがレーザでは発生しないため、中間検査工程を削減することができました。
また、社内の各工場での取り組み紹介では、コテはんだのメンテナンス工数が削減され、出来栄えも良好であることから、他の工場メンバーからも好感触を得ています。レーザはんだ付けは社内で初めて導入するはんだ付け工法であり、社内稟議を進めるのが大変でしたが、御社から情報提供いただき大変助かりました。



■今後の展望
当社が導入したレーザはんだ付け装置は、設備投資額が大きいものの、中間検査工程の削減やメンテナンスコストの削減が可能であるため、投資効果が非常に大きいと期待しています。この技術により、効率的な生産体制を構築し、さらなる品質向上を目指します。
今後、異なるサイズのランドに対して、鏡筒やファイバーの仕様変更を行うことなくビームサイズが可変できる鏡筒が商品化されることを期待しています。これにより、柔軟な生産対応が可能となり、さまざまなニーズに応えることができると考えています。
さらに、社内の他の工場メンバーからも好感触を得ているため、今後この技術を他の工場への展開できることも期待しています。新たな技術の導入が、当社全体の生産性向上に寄与すると考えています。
■導入検討中の方へアドバイス
装置導入した後はサポートが少ないメーカーが多いが、パナソニックプロダクションエンジニアリングは装置導入前から量産導入後もサポートがしっかりしていて、困ったときには相談できるメーカーなので、ぜひ相談してみてください。
■お客様紹介
オプテックス・エムエフジー株式会社様は、2018年7月2日より、オプテックスグループ傘下であるオプテックス株式会社様とオプテックス・エフエー株式会社様の生産機能を分離・集約することで製造力を強化し、グループ事業の発展に貢献することを目的として設立されました。
「モノづくりは人づくりをモットーに、モノづくりで社会を幸せにすることで社員も幸せになる会社をめざす」を経営理念として事業展開されています。

■納入機器
■システム
自社設計によるシステムアップ